1級FP過去問解説(基礎)2019年1月【問33】消費税額の計算

《問33》簡易課税制度適用事業者であるX株式会社(以下、「X社」という)の当期(平成30年4月1日~平成31年3月31日)における課税売上高(税抜)は、下記のとおりである。X社が簡易課税制度の適用を受けた場合の納付すべき消費税額および地方消費税額の合計額として、次のうち最も適切なものはどれか。
なお、課税売上高に平成26年3月31日までに行われた取引に係るものは含まれていないものとする。また、消費税額および地方消費税額の合計額が最も低くなるように計算することとし、記載のない事項については考慮しないものとする。

課税売上高(全体):4,000万円
(事業区分ごとの内訳)
卸売業(第1種事業)に係る課税売上高 :2,000万円
小売業(第2種事業)に係る課税売上高 :1,200万円
サービス業(第5種事業)に係る課税売上高:800万円

〈簡易課税制度におけるみなし仕入率(一部抜粋)〉

事業区分 みなし仕入率
第1種事業 90%
第2種事業 80%
第5種事業 50%
  1. 32万円
  2. 48万円
  3. 67万2,000円
  4. 96万円


[正解]  (適切)

[解説]

1.計算方法の判別
3種類以上の事業を営んでおり、第1種・第2種の課税売上高が3,200万円と、全体の課税売上高の75%(3,000万円)以上を占めるので、特例による仕入れ控除税額の計算方法を適用できる。
2.計算
・75%以上を占めている業種が第1種と第2種である。みなし仕入れ率が高い方が第1種、低い方が第2種である。よって、第1種事業の課税売上高に対しては90%のみなし仕入れ率を適用させ、第2種と第5種の課税売上高に対しては80%のみなし仕入れ率を適用させる。
(1) 仕入れ控除税額
「第1種事業に係る消費税額✕90%+(売上げに係る消費税額-第1種事業に係る消費税額)✕80%」で求めることになる。
160万円✕0.9+(320万円―160万円)✕0.8=272万円・・・仕入れ控除税額
(2) 消費税額および地方消費税額の合計額
320万円―272万円=48万円
よって、48万円

[要点のまとめ]

<簡易課税制度>
消費税の納付税額は、通常は「課税売上げ等に係る消費税額-課税仕入れ等に係る消費税額」で求める。
しかし、その課税期間の前々年又は前々事業年度(基準期間)の課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができる。
この制度では、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等、不動産業及びその他の事業の6つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用する。
<簡易課税制度の計算>
・「課税売上げ等に係る消費税額-仕入れ控除税額」で求める。
1.仕入れ控除税額の計算(基本)
※「売上に係る対価の返還等の金額に係る消費税額」があれば「課税売上げ等に係る消費税額」から差し引く。
(1) 1種類の事業のみ
課税売上げ等に係る消費税額✕みなし仕入れ率
(2) 2種類以上の事業(簡便法)
第1種消費税額✕90%+第2種消費税額✕80%+第3種消費税額✕70%
+第4種消費税額✕60%+第5種消費税額✕50%+第6種消費税額✕40%
2.仕入れ控除税額の計算(特例)
(1) 2種類以上の事業で、1種類の事業の課税売上高が全体の課税売上高の75%以上を占める場合
・75%以上を占める事業のみなし仕入率を全体の課税売上げに対して適用できる。
(2) 3種類以上の事業で、特定の2種類の事業の課税売上高の合計額が全体の課税売上高の75%以上を占める場合
・75%以上を占める2業種のうちみなし仕入率の高い方の事業に係る課税売上高については、そのみなし仕入率を適用し、それ以外の課税売上高については、その2種類の事業のうち低い方のみなし仕入率をその事業以外の課税売上げに対して適用できる。


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