1級FP過去問解説(基礎)2019年1月【問29】住宅借入金等特別控除

《問29》住宅借入金等特別控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 平成23年4月に住宅ローンを利用して住宅を取得し、住宅借入金等特別控除の適用を受けていた者が、平成30年4月に当該住宅ローンの一部繰上げ返済をし、当該住宅ローンの最終の償還月が平成31年4月となった場合、平成30年分の所得税について住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできない。
  2. 平成28年4月に住宅ローンを利用して住宅を取得して入居した者が、同年中に勤務先からの転任命令により転居し、平成30年4月に再入居した場合、所定の要件を満たせば、平成30年分の所得税から最長で10年間、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができる。
  3. 平成29年4月に住宅を取得して住宅借入金等特別控除の適用を受けていた者が、平成30年中に当該住宅を譲渡し、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の適用を受ける場合、平成29年分の所得税についての修正申告書を提出し、控除された住宅借入金等特別控除相当額の所得税を納付しなければならない。
  4. 平成30年4月に住宅を取得して住宅借入金等特別控除の適用を受けた者が、その控除額のうち平成30年分の所得税額から控除しきれない額を平成31年度分の個人住民税の所得割額から控除するためには、個人住民税の確定申告書を住所地の市町村長に提出する必要がある。


[正解]  (適切)

  1. 平成23年4月に住宅ローンを利用して住宅を取得し、住宅借入金等特別控除の適用を受けていた者が、平成30年4月に当該住宅ローンの一部繰上げ返済をし、当該住宅ローンの最終の償還月が平成31年4月となった場合、平成30年分の所得税について住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできない。
  2. [解説]
    平成23年4月に借り入れて、最終が平成31年4月になるため、住宅借入金等特別控除の要件の一つである「償還期間10年以上」を満たすことができなくなるため、一部繰り上げ返済をした年から適用できなくなる。

  3. 平成28年4月に住宅ローンを利用して住宅を取得して入居した者が、同年中に勤務先からの転任命令により転居し、平成30年4月に再入居した場合、所定の要件を満たせば、平成30年分の所得税から最長で10年間、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができる。
  4. [解説]
    住宅ローン等を利用して居住用家屋の新築若しくは取得又は増改築等をした日から6か月以内にその者の居住の用に供し、かつ、その年の12月31日まで引き続きその者の居住の用に供していることが必要となる。しかし、家屋の所有者が、転勤等のやむを得ない事情により、その住宅の取得等の日から6か月以内にその者の居住の用に供することができない場合や年末まで引き続き居住することができない場合でも一定の要件を満たせば、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができる。しかし、控除期間が伸びるわけではなく、あくまでも平成28年4月に住宅ローンを利用してから10年間となる。

  5. 平成29年4月に住宅を取得して住宅借入金等特別控除の適用を受けていた者が、平成30年中に当該住宅を譲渡し、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の適用を受ける場合、平成29年分の所得税についての修正申告書を提出し、控除された住宅借入金等特別控除相当額の所得税を納付しなければならない
  6. [解説]
    居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)や3,000万円特別控除を適用することはできない。たとえば、住宅を買い替える際に、旧住宅の売却で3,000万円控除を利用していると、新住宅で住宅ローン控除を適用することはできない。同様に、新住宅で住宅ローン控除を適用した後に、旧住宅を売却した場合、3,000万円控除を適用することはできない。3,000万円控除の適用を受けたい場合には、所得税についての修正申告書を提出し、控除された住宅借入金等特別控除相当額の所得税を納付しなければならない。住宅ローン控除と3,000万円控除のどちらか有利な方を選ばなければならないのは、「買換え」で発生する問題であると覚えておけばよい。本肢のように、住宅ローン控除を適用したあと、その住宅を売却に際し、3,000万円特別控除の適用を受けることはできる。

  7. 平成30年4月に住宅を取得して住宅借入金等特別控除の適用を受けた者が、その控除額のうち平成30年分の所得税額から控除しきれない額を平成31年度分の個人住民税の所得割額から控除するためには、個人住民税の確定申告書を住所地の市町村長に提出する必要がある
  8. [解説]
    住宅ローン控除の適用を受けるためには、給与所得者であっても初年度のみは確定申告しなければならない。一方、所得税額から控除しきれない額は翌年の住民税から控除することができる。住民税は、自治体が確定申告書等を元に課税計算するため、住民税の確定申告書を提出する必要はない。なお、課税事業者でも国内における課税資産の譲渡等がなく、かつ、納付税額がないなど、確定申告の義務がない人は、原則として市区町村へ住民税の申告書を提出する必要がある。


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