1級FP過去問解説(基礎)2019年1月【問27】特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

《問27》 「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 本特例の適用を受けるためには、譲渡した居住用財産の所有期間が譲渡した日の属する年の1月1日において10年を超えていなければならない。
  2. 本特例の対象となる家屋は、現に居住の用に供している家屋または居住の用に供されなくなった日以後3年を経過する日までに譲渡される家屋に限られる。
  3. 本特例の対象となる譲渡損失の金額は、譲渡に係る契約を締結した日の前日における当該譲渡資産に係る住宅借入金等の金額の合計額が限度となる。
  4. 前年以前3年内の年において生じた本特例による損益通算後の譲渡損失の金額がある場合であっても、合計所得金額が3,000万円を超える年分については、本特例による繰越控除の適用を受けることはできない。


[正解]  (適切)

  1. 本特例の適用を受けるためには、譲渡した居住用財産の所有期間が譲渡した日の属する年の1月1日において10年を超えていなければならない。
  2. [解説]
    本特例の適用を受けるためには所有期間の要件があるが、譲渡の年の1月1日における所有期間は5年超である。

  3. 本特例の対象となる家屋は、現に居住の用に供している家屋または居住の用に供されなくなった日以後3年を経過する日までに譲渡される家屋に限られる。
  4. [解説]
    現在住んでいる住居だけでなく、住んでいない住居も対象だが、住んでいない場合、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡しなければならない。

  5. 本特例の対象となる譲渡損失の金額は、譲渡に係る契約を締結した日の前日における当該譲渡資産に係る住宅借入金等の金額の合計額が限度となる。
  6. [解説]
    本特例の対象となる譲渡損失の金額は、住宅ローン残高から譲渡価額を控除した額が限度となる。

  7. 前年以前3年内の年において生じた本特例による損益通算後の譲渡損失の金額がある場合であっても、合計所得金額が3,000万円を超える年分については、本特例による繰越控除の適用を受けることはできない。
  8. [解説]
    合計所得金額が3,000万円を超える年がある場合は、その年のみ本特例による繰越控除を適用できない


[要点のまとめ]

<特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除>
マイホーム(旧居宅)を平成31年(2019年)12月31日までに売却して、新たにマイホーム(新居宅)を購入した場合に、旧居宅の譲渡による損失(譲渡損失)が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができる。さらに、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰越控除)することができる。
1.特例の要件
(1) 自分が住んでいるマイホームを譲渡すること。なお、以前に住んでいたマイホームの場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。親族等への譲渡は除かれる
(注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の3つの要件全てに当てはまる必要がある。
・取り壊された家屋及びその敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が5年超であること。
・その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
・家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
(2) 譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超える資産(旧居宅)で日本国内にあるものの譲渡であること。
(3) 災害によって滅失した家屋で当該家屋を引き続き所有していたとしたら、譲渡の年の1月1日において所有期間が5年を超える家屋の敷地の場合は、その敷地を災害があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(住まなくなった家屋が災害により滅失した場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)(注)に売ること
 (注)東日本大震災により滅失した家屋の敷地の場合は、災害があった日から7年を経過する日の属する年の12月31日までとなる。
(4) [新住宅]譲渡の年の前年の1月1日から売却の年の翌年12月31日までの間に日本国内にある資産で家屋の床面積が50㎡以上であるものを取得すること。
(5) [新住宅]買換資産を取得した年の翌年12月31日までの間に居住の用に供すること又は供する見込みであること。
(6) [新住宅]買換資産を取得した年の12月31日において買換資産について償還期間10年以上の住宅ローンを有すること。
2.繰越控除が適用できない場合
(1) [旧住宅]旧居宅の敷地の面積が500㎡を超える場合
 旧居宅の敷地の面積が500㎡を超える場合は、500㎡を超える部分に対応する譲渡損失の金額については適用できない。
(2) [新住宅]繰越控除を適用する年の12月31日において新居宅について償還期間10年以上の住宅ローンがない場合
(3) 合計所得金額が3,000万円を超える場合
 合計所得金額が3,000万円を超える年がある場合は、その年のみ適用できません。
3.損益通算及び繰越控除の両方が適用できない場合
(1) [旧住宅]旧居宅の売主と買主が、親子や夫婦など特別の関係にある場合
※特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係にある法人なども含まれる。
(2) 旧居宅を売却した年の前年及び前々年に次の特例を適用している場合
・居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例
・居住用財産の譲渡所得の3,000万円の特別控除(ただし、被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例を除く。)
・特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例
・特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例
(3) 旧居宅を売却した年又はその年の前年以前3年内における資産の譲渡について、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算の特例の適用を受ける場合又は受けている場合
(4) 売却の年の前年以前3年内の年において生じた他のマイホームの譲渡損失の金額についてマイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算の特例を受けている場合


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