1級FP過去問解説(基礎)2019年1月【問20】オプション取引

《問20》 オプション取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. ITM(イン・ザ・マネー)は、コール・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を上回っている状態をいい、プット・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を下回っている状態をいう。
  2. キャップは、キャップの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した金利を上回った場合に、その差額を受け取ることができる取引である。
  3. カラーは、キャップの買いとフロアの買いを組み合わせた取引であり、カラーの買い手は売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した変動幅の範囲外となった場合に、その差額を受け取ることができる。
  4. ノックイン・オプションやノックアウト・オプションなどのバリア・オプションは、バリア条件のないオプションと比較すると、他の条件が同一である場合、一般に、オプション料は低くなる。


[正解]  (不適切)

  1. ITM(イン・ザ・マネー)は、コール・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を上回っている状態をいい、プット・オプションの場合は原資産価格が権利行使価格を下回っている状態をいう。
  2. [解説]
    コールオプションの場合、原資産価格が権利行使価格を上回っている状態(原資産価格>権利行使価格)が有利となる。たとえば権利行使価格1,000円のコールオプション保有時に、原資産価格(市場価格)1,100円で権利行使すると100円安く購入することができる。
    一方、プットオプションの場合、原資産価格が権利行使価格(原資産価格<権利行使価格)を下回っている状態が有利となる。オプションの買い手が権利行使したときに差金の受取が生じる状態のこををITM(イン・ザ・マネー)という。
    ちなみに、権利行使価格1,000円のコールオプション保有時に、原資産価格(市場価格)900円だと、差金の支払いが生じるため、権利放棄する。コールオプションの場合、「原資産価格<権利行使価格」の状態、プットオプションの場合、「原資産価格>権利行使価格」の状態であり、この状態をOTM(オウト・オブ・ザ・マネー)という。加えて、原資産価格と権利行使価格が等しい状態をATM(アット・ザ・マネー)という。ITMだけだと覚えにくい場合、OTMやATMを一緒に覚えると覚えやすいかもしれない。

  3. キャップは、キャップの買い手が売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した金利を上回った場合に、その差額を受け取ることができる取引である。
  4. [解説]
    キャップ(cap)は上限という意味で、一部の金融機関で扱うキャップ付き(上限金利特約付き)住宅ローンを想像すると分かりやすいかもしれない。住宅ローンを変動金利型で借り入れる場合、固定金利型の金利負担を避ける目的があるが、将来金利が上昇するリスクがある。そこで、金融機関があらかじめ金利のコールオプションを購入しておき、上限金利(基準金利)を上回ると差金を受け取れるようにしておく。この取引をキャップ取引といい、金利上昇リスクのヘッジ目的で利用される。なお、下限金利(基準金利)を下回ると差金を受け取れる取引をフロア(floor)取引という。体の最も高い頭にかぶる「帽子(cap)」と最も低い足の裏に接する「床(floor)」をイメージしておけば覚えやすいだろう。

  5. カラーは、キャップの買いとフロアの買いを組み合わせた取引であり、カラーの買い手は売り手に対してオプション料を支払うことにより、原資産である金利があらかじめ設定した変動幅の範囲外となった場合に、その差額を受け取ることができる。
  6. [解説]
    カラーは、キャップの買いとフロアの売りを組み合わせた取引で、上限と下限を設定することになる。たとえば上限金利(キャップ)を3%、下限金利(フロア)を1%とすると、金利が3%を上回った場合はその分の差額を受け取ることができる。一方、金利1%を下回った場合、権利放棄することになるが、フロアを売ることで手数料を受け取っているため、キャップの買いのみの場合と比べ、手数料は安くなる。なお、

  7. ノックイン・オプションやノックアウト・オプションなどのバリア・オプションは、バリア条件のないオプションと比較すると、他の条件が同一である場合、一般に、オプション料は低くなる。
  8. [解説]
    バリア・オプションは、一定価格に到達すると権利が発生したり、消滅したりするオプション取引である。ノックイン・オプションは、一定価格(バリア)に到達すると有効になり、ノックアウト・オプションは一定価格(バリア)に到達すると無効になる。たとえば、現在1ドル=100円で、権利行使価格110円のコールオプションを購入し、1ドル=120円になったとします。この場合、権利行使をすれば1ドルにつき10円の差金を受け取ることができます。このような取引で、1ドル=130円のノックアウト・オプションを付けるとします。コールオプションの売り手にしてみれば、円安になるほど損失が拡大してしまうため、一定価格(バリア)に到達すると権利行使が無効となるオプションがあるとオプション料は安くても構わないことになる。コールオプションの買い手も、オプション料を安くおさえるため、大幅な円安になる可能性が少ないと判断していれば(平常時は一定のレンジで価格は推移するため)、バリア条件を付けるメリットがある。

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