1級FP過去問解説(基礎)2019年1月【問19】サスティナブル成長率

《問19》 下記の〈財務指標〉から算出されるサスティナブル成長率として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、自己資本の額は純資産の額と同額であるものとし、計算結果は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入すること。

〈財務指標〉

株価収益率 12.00倍 
株価純資産倍率 1.80倍 
配当利回り 1.50% 
配当性向 32.00% 
  1. 4.53%
  2. 6.57%
  3. 10.20%
  4. 14.78%


[正解]  (適切)

[解説]

(計算式)
サスティナブル成長率=内部留保率×自己資本利益率(ROE)
※自己資本利益率(ROE)=当期純利益÷自己資本✕100
 =株価/純資産(自己資本)✕当期純利益/株価
 =株価純資産倍率(PBR)✕1/株価収益率(PER)
※配当性向=配当金÷当期純利益✕100
※内部留保率=100%(当期純利益分)-配当性向
 当期純利益に対する配当金の割合が配当性向、配当しなかった分は内部留保額となる。

(計算)
・内部留保率:68%
 ※当期純利益の68%を内部留保に回したことになる。
・自己資本利益率(ROE)=1.8÷12=0.15
・サスティナブル成長率=68%✕0.15=10.2%
(サスティナブル成長率の意味)
サスティナブル(sustainable)成長率は、持続可能な成長率という意味で、内部留保率を使用していることから分かるように、外部からの資金調達をせずに内部投資のみで実現できる成長率を表す。自己資本でどのぐらいの利益を上げたかを表すROEの場合、利益を上げるのではなく自己資本を下げる(借入金を増やす)ことでも数値が上がる。ROEに内部保留率をかけることで、自己資本でどのぐらい成長できるかを見ることができる。
<サスティナブル成長率(例)>
・A社:15%(ROE)×20%=3%
・B社:15%(ROE)×40%=6%
 ※ROEが同じでも、内部留保率の高いB社の方が持続的な成長率が高いことになる。
<毎年ROE10%の企業の場合>
・1期目
 自己資本;100
 利益:10
 配当:4
 内部留保:6
 ⇒来期の自己資本に内部留保6が加算される。
・2期目
 自己資本:106
 利益:10.6
 配当:4.24
 内部留保:6.36
 ⇒同様に、6.36が来期の自己資本に加算される。
自己資本は、株式や純資産など返済する必要のない資金を指すため、サスティナブル成長率が高いほど、銀行からの借り入れや社債の発行をせず、安定した企業経営を行っていることになる。

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