1級FP過去問解説(基礎)2019年1月【問14】保険金等の課税関係

《問14》個人事業主が加入する各種損害保険から受け取った保険金等の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、いずれも契約者(=保険料負担者)は個人事業主であるものとする。

  1. 個人事業主が、交通事故により負傷して就業不能となり、所得補償保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は個人事業主の事業収入となる。
  2. 個人事業主が、従業員を被保険者とする積立普通傷害保険(保険期間5年)の満期返戻金を受け取った場合、当該満期返戻金は個人事業主の事業収入となる。
  3. 個人事業主が、所有する店舗内で保管していた商品が火災により焼失し、商品を保険の対象とする火災保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は個人事業主の事業収入となる。
  4. 個人事業主が、所有している営業用自動車が全損となる事故により廃車となり、自動車保険から廃棄損を上回る車両保険金を受け取った場合、当該保険金のうち廃棄損を上回る部分については個人事業主の事業収入となる。


[正解]  (適切)

  1. 個人事業主が、交通事故により負傷して就業不能となり、所得補償保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は個人事業主の事業収入となる。
  2. [解説]
    個人事業主が自分のために加入した所得保障保険の保険料については、家事費であり、業務について生じた費用とは言えないことから、必要経費にすることはできず、介護医療保険料控除として所得控除を適用させることになる。また所得補償保険の保険金を受け取った場合、その保険金は身体の傷害に基因して支払いを受ける保険金であるため非課税である。

  3. 個人事業主が、従業員を被保険者とする積立普通傷害保険(保険期間5年)の満期返戻金を受け取った場合、当該満期返戻金は個人事業主の事業収入となる
  4. [解説]
    個人事業主が、従業員を被保険者として積立普通傷害保険に加入している場合、法人の経理処理と異なる点がある。まず、保険料については、積立保険料部分は資産計上し、その他保険料部分は必要経費(損金)算入し、その他保険料部分について従業員に対する課税(所得税)はない(個人の場合は、損害保険料控除が廃止されているため、所得控除はない)。
    次に満期返戻金の経理処理について、法人の場合は満期返戻金等を益金に算入し、これまで資産計上してきた積立保険料の額を損金に算入する。一方、個人事業主の場合、たとえ事業に関する保障であったとしても、個人の場合と同じく、一時所得扱いとなる。一時所得の計算上、経費にできるのは積立保険料部分となる。

  5. 個人事業主が、所有する店舗内で保管していた商品が火災により焼失し、商品を保険の対象とする火災保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は個人事業主の事業収入となる。
  6. [解説]
    個人事業主が加入する火災保険で、建物や設備の損害に関して受け取った保険金は非課税扱いだが、商品(棚卸資産)の損害による保険金は例外的に課税対象となるため、事業収入とする。実際に課税されるのは、計上した保険金から仕入高を引いた金額となる。このほか、休業中の売り上げや利益を補てんするための保険金など事業の収入に代わるもの経費を補てんするものは収入に計上しなければならない。

  7. 個人事業主が、所有している営業用自動車が全損となる事故により廃車となり、自動車保険から廃棄損を上回る車両保険金を受け取った場合、当該保険金のうち廃棄損を上回る部分については個人事業主の事業収入となる。
  8. [解説]
    所得税では、「突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得する損害保険の保険金は非課税とする」規定があるため、営業用自動車(事業用固定資産)であっても、保険金は非課税となる。そのため、廃棄損を上回る保険金を受け取ったとしても所得税の課税対象とはならない。

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